9月にアネモネの球根を植えたのですが、芽が出ずに腐って枯れてしまいました。どうしてですか?
9月にアネモネの球根を植えたのですが、芽が出ずに腐って枯れてしまいました。どうしてですか?
アネモネの栽培は球根の植え付け時が最も大切で、うまく発根させることができるかによって、すべてが決まります。
夏の暑さが残る9月ごろは、プランターや花壇に乾燥した球根を直接植え付けた場合、特に腐りやすいので注意が必要です。
秋植え球根は8月中ごろから出回ります。入手が早かったとしても、植えるのは必ず適期まで待って行います。アネモネは外気が20℃以下になってから(京都市では10月上旬)、植え付けることがポイントです。
ほかの秋植え球根と比較して、アネモネの球根が腐りやすいのは、この球根の特異性によります。アネモネの球根は、地下部の短い茎が塊状に肥大したもので、塊茎と呼ばれるタイプです。市販の球根は、前年の9月にタネをまいて育てた、実生1年球と呼ばれるもので、初夏、地上の葉が枯れて休眠に入るとともに掘り上げ、乾燥して植え付け期まで貯蔵されます。そして、袋詰めなど商品化された上でユーザーの手に渡るのです。その間、球根にカビが生えるのを防ぐため、極度の乾燥状態にしてあります。アネモネの球根の形はほぼ円錐状で、外皮はなく、カチカチにかたく乾いた1~2㎝の小球で、一見では上下の別が分かりづらいのも特徴です。
植え付けに際して、最も避けなければいけないことは、急激な吸水と過湿です。植え付け前に水に浸したり、植え土の通気が悪く、雨が降るとべとべとするような状態では必ず腐敗します。
安全によく揃うように芽を出させるには、催芽処理を行います。催芽とは、最良の発芽環境のもとで、できるだけ早急に発芽させることです。アネモネでは、浅い箱か平鉢などに、湿らせた水ゴケかバーミキュライトを詰め、発芽部を上にして浅く埋めます。風通しのよい日陰など涼しい場所に一両日置いておくと、緩やかに吸水して球根が2~3倍に膨らみ、やがて発根が始まり、続いて新芽(葉)が伸びだします。葉が出始めたころが植え付けの適期で、一球ごとに根を傷めないよう取り上げて、あらかじめ準備しておいた鉢や花壇に定植します。
植え付けは、発芽部が浅く土に覆われる程度に植え、後日、軽く土寄せか増し土をして株元を保護します。