数年前にローズマリーを植えたのですが、まだ花が咲いたことがありません。どうしてですか?
数年前にローズマリーを植えたのですが、まだ花が咲いたことがありません。どうしてですか?
ローズマリーはシソ科の常緑小低木です。生長すると150㎝ほどの高さになる立性種と、高さが40㎝程度で横に広がって伸長する匍匐性種があります。
両種ともよく分枝して、3㎝ほどの線形の葉をたくさんつけて茂り、小さい唇形の花を咲かせます。春に苗を植え付けると、通常、翌年には花がつきます。花期は初夏を中心に秋に及び、時には真冬でも花が見られるほど、長期間咲くのが特長です。
本来、ローズマリーは非常に花つきのよい植物で、年数を経た株がその生育期に花をつけないことはめったにありません。強いて原因を挙げるとすれば、鉢植えの場合では根づまり、地植えでは日陰地か排水不良であることが考えられます。あるいは、強酸性土壌であるなど生育に極めて悪い状態にある可能性も考えられます。
現在、栽培中のローズマリーが前記のいずれかの理由に当てはまり、生育が健全でない場合には、良好な条件下で新しい苗を一から育てるのが良策です。
ローズマリーは地中海沿岸の原産で、日本の一般地では耐寒性に問題はなく、防寒なしで栽培できます。日光を好み耐暑性に大変優れているので、夏の強い日差しにも強く栽培は容易です。
植える場所により、立性種、匍匐性種それぞれの特徴を生かした栽培は、庭の演出にも効果的です。立性種は、建物の南面などにコニファー(小型針葉樹)の代わりとして植えると、緑の樹姿とともに香りと花を楽しめ、ハーブとしての特長を発揮します。匍匐性種は石垣やレイズドベッド(高床式花壇)の縁などに植えると、枝を下垂させ美しく育ちます。日の当たる場所であればよく生育するので、狭い場所での活用にも適しています。
植え付け時には前もって堆肥と苦土石灰を施し、よく耕しておきます。平坦な地面では水はけを考慮し、植え床を高くして植え付けます。生育するに従い、込み合うようになれば、日の当たらない下枝は間引きを兼ねて剪定します。剪定後に収穫した枝は、ハーブとして香りを利用します。