多くの花木類の枝に白い綿状の虫がつきます。触ると勢いよく跳んで逃げるのですが、何の虫でしょうか?
多くの花木類の枝に白い綿状の虫がつきます。触ると勢いよく跳んで逃げるのですが、何の虫でしょうか?
多くの花木につく虫で、「白い綿状」「触れると勢いよく逃げる」という2点を手掛かりに考えてみると、思い当たるのはアオバハゴロモの幼虫です。
アオバハゴロモは、カメムシ目アオバハゴロモ科の昆虫で、ツバキ、バラ、アジサイ、モクセイ、ミカン類など多くの樹木に寄生します。発生は年に1回で、枯れ枝に産みつけられた卵が越冬し、5月中下旬に幼虫が現れます。白い綿状の分泌物を出して全身を覆いますが、本体は淡緑色の若い虫です。
幼虫は翅を持っていませんが、バッタのように足で跳ねることができ、触れるとピョンと跳んで逃げるのが特徴です。成虫は体長10㎜くらいで翅はやや幅広く、ごく薄い緑色の目につきやすい体色です。足で跳ねることも翅で飛ぶこともできますが、大抵は小枝などに翅を合わせて止まっています。
幼虫、成虫ともに口針を刺し、樹液を吸汁して加害します。寄主の植物が衰弱するような大きな被害は見られませんが、幼虫の出す綿状の分泌物は茎葉を汚します。発生が多い場合はひどく美観を損なうので早期の発見と防除が大切です。少数の時は捕殺しますが、うっかり触ると跳んで逃げるので注意します。
発生の多い時は薬剤散布での防除が必要になります。マラソン乳剤1000倍液など、それぞれの品目に登録のある農薬を確認して使用します。また、缶入りのエアゾール剤を常備しておき、見つけ次第散布するのも効果的です。