庭に植えているコスモスの生育が悪く抜いてみたところ、根が白くなっていました。ほかの植物でも同じことがあったのですが、何が原因でしょうか。
庭に植えているコスモスの生育が悪く抜いてみたところ、根が白くなっていました。ほかの植物でも同じことがあったのですが、何が原因でしょうか。
コスモスはメキシコの高原地帯原産の草花ですが、明治中期に初めて日本に渡来しました。今ではすっかり日本の風景に溶けこみ、秋を彩るにはなくてはならない植物の1つになっています。
ご質問の件ですが、これは明らかに白絹病に侵された症状です。白絹病は土壌病原菌の一種で、熱帯起源のため高温多湿下では伝染力が旺盛となり、初夏から秋に発生が多く見られます。特に、夏季に乾燥が続いたあとの湿潤状態になる条件下では急速に蔓延します。また、冬季でも温室栽培の鉢花に発生することがよくあります。さまざまな種類の植物につく多犯性の病原菌ですが、生長期に冷涼で乾燥ぎみの環境を好む植物が特に侵されやすいようです。コスモスにはあまり多発することはありませんが、水はけのよくない場所や、株が多数混み合い、地表面が湿った状態のままだったりすると発生することがあります。始めは茎の地際部が水浸状となり、すぐに病患部や周辺の地表面に白色の光沢のある菌糸が広がり、地上部はしおれて、やがて枯れてしまいます。
病株は周辺の土ごと抜きとって処分した後、できれば土壌消毒をしてください。また、水はけの悪い場所では盛土などをして水はけを促します。白絹病の菌核は数年間生存し、伝染源となりますが、酸性土壌を好むため、消石灰や炭酸石灰を施して中和すれば防除効果が高まります。