ユリ・オリエンタルハイブリッドを秋に植え付けるのを忘れてしまいましたが、これから植えても大丈夫でしょうか。
ユリ・オリエンタルハイブリッドを秋に植え付けるのを忘れてしまいましたが、これから植えても大丈夫でしょうか。
ユリはヨーロッパから中近東、中国の雲南から日本まで北半球に広く分布しており、「オリエンタルハイブリッド」とは、日本産の原種(ヤマユリ、カノコユリ、オニユリ等)をもとに改良育成された系統(品種群)をいいます。この系統は香りの強い白やピンクの大輪の花を咲かせ、品種としては‘カサブランカ’や‘ル・レーブ’‘モナリザ’‘アカプルコ’等があります。
いずれのユリも高温と乾燥を嫌いますが、生育環境の好みは系統により違いがあり、このオリエンタルハイブリッド系は明るい日陰から半日陰の場所を好みます。
ユリの植え付け適期は10~11月です。ユリの球根の発芽には、一定期間低温(20℃以下)が必要であり、さらに花芽分化するにも低温にあうことが必要です(カサブランカの場合、花芽分化に5℃くらいで10週間ほど必要)。
しかし多少適期を逃しても、球根を乾燥させず、適度な湿度を保持して常温下で保管し、前述の温度に合わせたものなら、3月ごろまでの植え付けで花を咲かすことができます。ただし植え遅れると、生長がにぶく花も小ぶりになり、球根の肥大も悪くなります。ユリの根は球根の下に出る下根と、発芽した地中茎に出る上根があり、この上根が土中の水分や養分を吸収する働きをするので、植え遅れにより上根の生育が十分できなくなるためです。