芳香性のバラが咲きましたが、香りがありません。どうしてでしょうか。
芳香性のバラが咲きましたが、香りがありません。どうしてでしょうか。
バラの花に含まれる香りの成分は数百種あるとされますが、それらの成分量が特に多いものが「芳香バラ」といわれています。香り成分は品種によって定まっており、香りの感じ方はその時の環境や花の生育過程などで変わります。同じ品種でも香りを感じない場合や、微香や中香、あるいは強香を感じたりします。
香りの強さは香り成分の量に応じて決まるというものではなく、個人差もありますが人が感じやすい成分が多いほど強く感じます。温度が高い時は香り成分の生成量が減ってくるため香りを感じにくくなり、逆に温度の低い時は香り成分の発散量が減るため香りを感じにくくなります。暑からず寒からずの環境が香りの生成量が多く、かつ発散量も多くなり、香りを感じやすくなります。
またバラの花は日の出とともに香り始め、午前中が最も強くなり、夕方にかけて弱くなります。これは花が光を感じることにより香り成分の発散量を変えるリズムをもっているためです。
さらに開花時の湿度や花の水分量でも香りの感じ方が変わります。湿度が低い時よりも高い時の方がより強く感じ、さらに花自体の水分量の多い時、すなわち咲き始めから7~8分咲きのころがよく香ります。そういったことを踏まえ、香り成分の生成量や発散量の多い条件のもとで、香りを楽しんでください。