デルフィニウムの花穂が写真のようにボリュームが出ないのは、どうしてでしょうか。
デルフィニウムの花穂が写真のようにボリュームが出ないのは、どうしてでしょうか。
デルフィニウムは本来宿根草ですが、夏の高温多湿な環境が苦手なため日本では夏越しが難しく、一般的に秋まき一年草として栽培されています。花弁状のものは実はがく片で、本来の花弁は中心部に集まってついています。さて、花穂にボリュームが出ないということで一番に考えられるのは、定植後の肥培管理ができておらず株が充実していなかったのではないでしょうか。生育期の日照不足による徒長も考えられます。
デルフィニウムは、日当たりと排水性のよい場所で有機質のたっぷり入った肥沃な土壌を好み、養分要求度も高い植物です。露地植えの場合は適地を選び、排水が悪いと思われる時は20~25㎝程度の高畝にし、間隔はお互いの生育を妨げないよう25~30㎝四方に1株を目安とします。定植前には、有機質として腐葉土と緩効性の化成肥料を混和しておきます。鉢植えの場合は20㎝程度の鉢に1株が標準ですが、50㎝程度の大型のテラコッタに3~4株植えると、より華やかに楽しめます。
また、定植時の植え方もその後の生長に影響します。双葉の基部が地表面に接する程度に植え込みます。浅植えすると根の生育が妨げられ、地上部の生育も悪くなります。2~3月ごろには新葉が次々に展開してくるので、この時期から週に1回程度液肥を施してください。デルフィニウムは育てにくいイメージがありますが、日本の気候に合った育てやすい品種も出ていますし、育苗の手間が掛からないポット苗からの栽培もおすすめです。京都府立植物園では10月にタネをまき、晩秋に花壇に定植するのと、翌春まで育苗し定植する二通りの方法で植栽展示しています。