果菜類は育苗してから育てるのが一般的ですが、直まきでの栽培はできないのでしょうか。
果菜類は育苗してから育てるのが一般的ですが、直まきでの栽培はできないのでしょうか。
一般に果菜類を育苗するのは、育苗期間が約60~ 70 日と長く、また、集約的に苗を管理するためです。この期間、苗床で育苗すれば、その間は畑をほかの用途に使えます。さらに、果菜類の発芽適温は25~30℃と高いため、畑にタネを直まきするには気温が上昇するのを待つ必要があります。
5月になってマルチを張ったトンネルにタネをまいたとしても、収穫時期は8月以降になります。これでは苗を買って、5月に定植する方が収穫時期が早くなり、増収にもなります。また、直まきでは発芽とその後の生育は畝の土壌条件により左右されるため、タネの数も多く必要となります。さらに、育苗した苗に比べて根系が狭く養分吸収が劣るため、生育も劣ります。以上のことから、直まき栽培はあまりおすすめできません。
ただし、保温あるいは加温設備があれば、トンネルまたはハウスでの直まき栽培は可能です。ハウス内にトンネルをすれば、保温効果は高く生育も促進されます。2月ごろにはタネをまき、トンネル内に温床線を張るか加温ヒーターを利用するなどして、夜間気温を約15℃に保ち、さらに保温資材で覆います。発芽までは過湿を避け、本葉が出てからは乾燥させないよう水管理に注意しましょう。日中は日光に当てて20~25℃を保ち、それ以上になればトンネルを開けて換気します。
直まきする場合、育苗した苗に比べて生育が緩慢なため、元肥を早めに入れておき、生育を遅れさせない管理が必要となります。