パンジーはまれに株元に近い一部の葉が、ひどく黒ずんでいるのを見ることがあります。病斑らしきものはなく形も正常で、葉色だけが普通と異なります。あたかも濃い紅色系ハボタンの外葉のように、青黒く沈んだ色合いを呈するものですが、原因は根の状態と関係があると考えられます。

　パンジーは元来根がよく発達していて細根も多く、移植の際も植え傷みすることの少ない草花です。しかしながら、排水不良や肥料による濃度障害、用土の不適合、さらに深植えや、ポット苗では移植の遅れによる根づまりなど、栽培するうえで根の発育に気をつけるべきことがたくさんあります。葉色が黒ずむのは、根の状態がよくない印として受けとめ、それらの弊害を避けるため、栽培条件の良好な所へ植え替えるなど、適切な対策を講じる必要があります。