数年前に購入したダイモンジソウが花をつけなくなったのですが、どうしたらまた花を楽しむことができますか?
数年前に購入したダイモンジソウが花をつけなくなったのですが、どうしたらまた花を楽しむことができますか?
ダイモンジソウは日本各地に自生し、渓谷沿いの水が浸出する岩壁の割れ目などで見られます。山草愛好家などに人気のある植物で、薄紅を帯びた自生種を中心とした交配実生から改良が始められ、約30年を経過した現在では、花色や形、大きさなど、自生種からは想像もできない目覚ましい発展ぶりを見せています。
繁殖においても、実生のほか、組織培養も盛んで、バラエティに富むさまざまな品種が大量に出回るようになり、今ではこれらの品種群が栽培の主流をなしています。ご質問のダイモンジソウも一連の改良種を購入されたものと思います。
改良種とはいえ栽培面では、自生種と共通する山野草の頑固さともいえる育てにくい一面があります。次の年も花を楽しむには、花が終わったころからの管理が大切です。
まず、開花後、変色したらすぐに花茎ごと抜き取ります。花茎は、まだ緑が残るかたい状態ですが、ねじりながら注意して引き抜きます。この時、株元にある花の咲かなかった小さい芽を傷めることなく残すことが大切です。
冬に入ると葉は枯れて、生育を休止しますが、休眠中でも乾燥させないように水やりをする必要があります。何日に一回など定期的に行うのではなく、鉢土の湿り具合を見ながら適宜水をやることです。
鉢植えの場合は毎年植え替えが必要で、3月初旬には芽が動きだします。このころが植え替えの適期で、葉が開いてからでは遅いので時期を逃さず行います。植える際、古い根は取り除いて新しい根だけにすることがポイントです。植え付け用土の一例としては、硬質鹿沼土7に対し、日向砂3程度の配合土、それにくん炭を少々加えたものなど、水もち、水はけともによく、通気性に富む配合土が適します。
植え替え後は、直射日光の当たらない明るい所に置きます。根が活着してから4月上旬までは日照下、その後は木陰などの半日陰がよく、夏季は暑さがこもる場所や、高温の乾いた風が当たる場所に置くことは避けます。また、育苗箱などに湿った水ゴケを敷き、その上に鉢を置けば、湿度を保つとともに、気化熱で鉢の周りをいくぶん涼しくすることができます。
肥料のやりすぎは禁物で、マグァンプKなど緩効性の肥料を少量与える程度にします。