スイセンを花壇から鉢に植え替えたいのですが、いつごろ行ったらよいでしょうか?また、植え付けの手順を教えてください。
スイセンを花壇から鉢に植え替えたいのですが、いつごろ行ったらよいでしょうか?また、植え付けの手順を教えてください。
秋植え球根であるスイセンは、生育期と休眠期があります。植え付けは、休眠が終わり、生育が始まる秋に行うのが原則です。
スイセンを植え付けた後、発根を始めてから初夏に葉が黄化するまでが生育期にあたります。この期間に地植えしたものを鉢に移植するのはよくありません。移植の際に切られた根は再生しにくいので、栽培の上でも大きな弊害となります。また、花壇に植えた一般的なスイセンは、地下部を含む草丈の全長が高く(長く)育ちますので、その面からも適当ではありません。
しかし、生育中に強いて移植した場合、そのため直ちに枯れてしまうほど、スイセンは弱いものではありません。鉢に植え替える目的が、花時を鉢植えで楽しむというものなら、草丈の低い品種に限り、以下の方法で行えば、よいでしょう。
移植の時期は、開花の直前の、蕾が苞からほころび始めたころで、頃合いを見て掘り上げて鉢に移します。鉢は小さいものや浅いものよりも、やや深めの鉢が収まりやすく、植え替えに適しています。用土は、一般に草花に用いる土であればよく、植え終えたらたっぷりと水をやります。
スイセンの開花からしぼむまでの期間は、約2週間くらいです。美観を損なわずに観賞するためには日陰に置くのがよいでしょう。
花が終わった後も生育は続きます。はじめから鉢植えで育てたものよりも早く葉が黄化し、球根の肥大や充実では地植えのものに劣りますが、球根は残すことができます。
なお、ご質問とは逆に、鉢植えから地植えに植え替える場合を考えてみましょう。つまり普通の鉢植えを、花が終わると直ちに露地に植え替える方法です。この方法は、養水分が最も必要な球根肥大期の前に植え替えて、水やりの手間を省くとともに充実した良質の球根を作り上げるための栽培法です。花が終わるとすぐに花がらを花首のところで切り除き、根鉢を崩さずに抜き出し、根を傷めないように気をつけて移植します。
その後10日ほど経ってから、ハイポネックスなど速効性の液肥を与えます。後は、地植えでの栽培と同様に手入れをして、葉が黄化するまで育てます。
スイセンは休眠後も掘り上げずにおいておき、次の年も咲かせることができます。鉢植えを地植えにしたら2~3年植えたままにするのもよいでしょう。