花がついたハイビスカスを初夏に購入して育ててきましたが、夏の間にだんだんと花つきが悪くなってきました。どうしてですか?
花がついたハイビスカスを初夏に購入して育ててきましたが、夏の間にだんだんと花つきが悪くなってきました。どうしてですか?
夏にハイビスカスの花つきが悪くなったという原因の一つには、高温が挙げられます。ハイビスカスに抱く「強烈に降り注ぐ陽光の下、色鮮やかに咲く南国の花」というイメージからは意外に思われますが、生育と開花の適温が25~28℃とされるハイビスカスには、日本の夏は暑すぎるのです。そのため、夜間も高温多湿が続く真夏になると、生長の勢いは鈍ってきます。花芽は新しく伸びる枝の先端につくため、若く元気な枝が出ない状態では、花つきが悪くなってしまうのです。そのほか、日照不足や根づまり、肥料不足なども花つきの減少に関係があります。
長く花を楽しむための栽培管理について要点を挙げておきますので、参考にしてください。
夏の暑さに対しては、まず風通しのよい涼しい場所に置くのが第一です。特に夜間は蒸し暑い所は避けて、できるだけ湿気のこもらない開放された場所を選びます。昼間の湿度を下げる手段としては、遮光することも選択肢の一つですが、ハイビスカスは日照を好むため、暗い日陰の場所では軟弱になり、蕾のうちに落ちてしまいます。ですので、遮光する場合はよしず一枚程度にします。また通風を考慮し、枝先から1mくらい空間をあけるようにします。
ハイビスカスは多肥栽培が適しますので、肥料切れを起こさないよう、一カ月ごとに緩効性化成肥料(プロミック錠剤など)を、5号鉢に3個くらい置き肥します。高温で生育が弱っている時は、置き肥は中止して薄い液肥に切り替えるなど、生育に合わせて施肥します。
根づまりを防ぐには、ひと回り以上大きい鉢に植え替えます。初夏に購入した花つき株で、鉢が小さめの場合はすでに根づまりしている恐れがあり、まだ大丈夫であっても今後遠からず根づまりを起こします。植え替えの用土は市販の培養土などで植え付けます。
今 、市場に出回っているハイビスカスの鉢ものは、大半が矮化剤処理が施されているため、樹高が抑えられています。しかし、矮化剤処理を施していない株もありますので、その丈を低く抑えたい場合は、5節くらい残して切り戻してから植え替えを行いましょう。