コスモスの草丈がずいぶん高く育っているのですが、その割に花は咲きません。どうしてでしょうか。
コスモスの草丈がずいぶん高く育っているのですが、その割に花は咲きません。どうしてでしょうか。
コスモスの原種は、短日性植物の代表となっている秋咲きの草花です。一方、近年栽培されているコスモスは、開花習性の異なる早咲き系(センセーション系)と遅咲き系(秋咲き系)があります。
草丈が伸びるばかりで花がつかない状態は、遅咲き系コスモスによく見られる現象です。秋咲き系とも呼ばれるように、この系統は短日性が強く、秋になって日が短くならないと花が咲きません。つまり、4月にタネをまいたものも7月にまいたものも、開花は10月ごろから始まることになります。そして早くまいた場合は、花芽ができるまで茎葉のみが生長を続けるため、草丈は高く伸びることになります。また、夜間の照明にも影響を受けますので、街灯の真下ではいつまでも花が咲かないことも考えられるため、照明にも注意して場所を選ぶことが大切です。
その一方、早咲き系は短日性をなくした突然変異から改良された系統で、センセーション系とも呼ばれ、現在栽培されているコスモスの主流をなしている重要な系統です。品種も多く、桃色に赤蛇の目入りの名花‘ラディアンス’をはじめ、濃紅、桃、白など色幅もあり、花も大きく美しいのに加え、短日や長日の影響を受けにくいため、タネをまいて60日あまりで開花を始めるので、草丈ばかり伸びて花が咲かないことは起こりません。
家庭でのコスモス栽培には早咲き系が最適で、6月下旬にタネをまけば8月下旬~9月上旬から咲き始め、7月下旬まきでは9月下旬~10月上旬に開花します。なお発芽適温は20℃前後とされますが、筆者は30℃の温度下で2~3日で発芽することを経験しています。コスモスは、遅咲き、早咲きを問わず、早まきはせずに、6月以降にまくことをおすすめします。
花壇植えでは、日当たりと水はけがよい場所で育てると十分に生育します。直まき、箱まきどちらでもよいのですが、タネに余裕のある時は直まきで1カ所に3粒ずつまき、小苗のうちに間引き、1本にします。なお、65×22×深さ18㎝のプランターでは、8本植えが適当です。