キクの草丈が非常に高くなり、支柱を使っても支えきれず、株が乱れて困ってしまいます。どうすればコンパクトにまとまりますか。
キクの草丈が非常に高くなり、支柱を使っても支えきれず、株が乱れて困ってしまいます。どうすればコンパクトにまとまりますか。
キクの園芸種はきわめてバラエティーに富み、多くの種類があります。今回は秋咲きの大ギクに限定して回答します。
大ギクの草丈の伸び方については、遺伝的形質による先天的なものと、仕立て方などの作り方に関するものがあります。
名称のついた品種では、短幹種、中幹種、長幹種に区分された幹(茎)の伸びる性質が、花色や花型とともに品種の特性として示されます。
栽培する品種を選ぶ時は、あらかじめ茎の伸びる性質についても留意して決める必要があります。
大ギクは短日の下で花芽分化し、10月下旬~11月初旬に花を咲かせます。一方、茎の生長は茎頂に蕾が現れるまで続きます。茎が伸びすぎないようにするためには、栽培初期の挿し芽の時期が大切です。つまり、早期に挿し芽を始めると花芽ができるまでの期間が長く、その間に伸びすぎてしまうことになります。
大ギクの標準的な3本仕立てでは、4月下旬~5月に挿し芽することから始めますが、短幹種と中・長幹種では時期をずらすなど調節することが必要です(別表参照)。
大ギクを最もコンパクトに仕立てる方法として福助作りがあります。短幹種の中から品種を選び、草丈の伸びを抑えるため生長抑制剤(ビーナイン)を使用するのがポイントで、8月上旬に挿し芽をして1本仕立てとし、5号鉢に植えて観賞します。ビーナインの使用は、定植して数日後に250~300倍液を散布し、9月上旬にも再び散布します。