白い花を咲かせるハイビスカスの品種のはずが、突然、ある枝からはピンクの花が咲くようになりました。どうしてでしょうか?
白い花を咲かせるハイビスカスの品種のはずが、突然、ある枝からはピンクの花が咲くようになりました。どうしてでしょうか?
園芸植物の新品種を作出するには、優良な形質を持った両親を選んで交配し、実った種子を実生して、その中から両親のよい点を併せ持った個体を選抜する方法が最も一般的です。しかし、偶然に新品種が現れることがあります。ご質問にあるような違う色の花が咲く枝が出るだけでなく、例えば斑入り葉の枝や、八重咲きの花が咲く枝が出たりもします。それにミカンなどでは、実が早く熟す早生の枝が出ることもあります。この現象は「枝変わり」と言い、遺伝子の変異ではなく、体細胞の変異によって起こるものです。
筆者も何度か枝変わりを見かけたことはありますが、ハイビスカスでは1例だけです。筆者が見たのは‘ピンク・バタフライ’という品種の株から‘ホワイト・バタフライ’が枝変わりで出たもので、もちろん下の部分でつながっていました。また、独立した‘ホワイト・バタフライ’を栽培していると、‘ピンク・バタフライ’の枝を出すことがあります。これも枝変わりには違いないのですが、この場合、元に戻ったという意味から「先祖返り」と呼ばれています。
ご質問に関しては、恐らく枝変わりで間違いないでしょう。ほかに考えられることとしては、接ぎ木のハイビスカスだとしたら、下の台木の芽が伸びて枝になり、穂木と異なる花を咲かせることがあります。しかし、接ぎ跡がなく葉の形も同じである枝変わりと比べ、接ぎ木の場合は接ぎ跡が残り、葉の形や木肌も穂木と台木で異なるので、簡単に見分けることができます。