ポポーについて
ポポーは、英名をカスタードアップルといい、バナナとマンゴーをミックスさせたような、濃厚な香りと甘みをもっています。 5月下旬~6月上旬に咲く、チョコレート色のシックな花も魅力です。 クリーミーで甘い実は、そのまま食べておいしいのはもちろん、 ジャムやピューレにして保存もでき、 またジェラートにするのもおすすめ!大きな実がたくさんとれる品種も登場しているので、 ぜひご家庭で栽培して、そのおいしさを実感してください。【ポポーの栽培ポイント】
ポポーは、トロピカルフルーツのチェリモヤやアテモヤなどと同じバンレイシ科の果樹です。流通が難しいこともあり、秋にとろりと甘い果実を味わえるのは、家庭果樹ならではの楽しみともいえます。熱帯果樹と思われる方が多いかもしれませんが、北アメリカ東部原産で非常に耐寒性のある温帯果樹で、日本各地で栽培が可能です。木は大きく生長し、実生苗でも4~5年程度で結実年齢に達します。ポポーの実は、まれに自然のままで受粉し結実することがありますが、確実に結実させるには人工授粉が必要です。開花期は4~5月で、花は完全花、雌雄異熟で雌しべが雄しべより先に成熟する「雌性先熟」の性質があります。雌花が開花して3~4日ほどたって、雌しべの機能がなくなったころに、雄しべが成熟して花粉が出てきます。そのため自然の状態では受粉しにくいので、先に咲いた花の花粉を集めて筆や綿棒などを使って人工授粉します。
花数が少ない場合は、先に咲いた花の花粉を採取して冷蔵庫などで保管しておき、後から咲く花の雌しべにその花粉を授粉させます。花は咲き始めは緑色で、授粉するのは赤みがかったチョコレート色に変色した時を選びます。
自分の花粉で受粉できる「自家親和性」をもつ品種が多いですが、自分の花粉では受粉しない「自家不親和性」の品種もあります。このような場合も含めて異品種を2本以上植え、その花粉を使う方が受粉率も高くなり、安定した結実が見られます。ポポーは一つの花に多くの雌しべがあるので、受粉すると房状に多くの実をつけることがあります。この場合は、葉数10枚につき1果を目安に摘果することで、大きな果実を得られます。