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ゴボウの上手な栽培方法・育て方

ゴボウの基本情報

ゴボウの写真
学名
Arctium lappa L.
和名
ゴボウ
英名
Edible burdock
分類
キク科ゴボウ属

ゴボウの住みやすい環境

発芽適温
20~25℃(10℃以下の低温や35℃以上の高温になると、発芽率が低下します。適温であれば5~8日で発芽します)
生育適温
20~30℃(地上部は3℃で枯れますが、根部は耐寒性が強く、-20℃にも耐えられます)

栽培手順 各ポイント

菜園向けゴボウ栽培カレンダー

栽培カレンダー

抽苔と生育(春まき栽培)

■発芽適温
20~25℃(10℃以下の低温や35℃以上の高温になると、発芽率が低下します。適温であれば5~8日で発芽します)
■生育適温
20~30℃(地上部は3℃で枯れますが、根部は耐寒性が強く、-20℃にも耐えられます)

[ゴボウの花芽分化と抽苔]

根の太さが6~20㎜以上になった株が冬の5℃以下の低温に1400時間以上(約2カ月間)におかれると花芽分化して、その後12.5時間以上の日長となる翌春の4月下旬から5月下旬に花茎が伸び出して抽苔し、7~8月に開花します。
晩抽性品種であれば太さが10㎜以内であれば冬の寒さにあっても花芽分化せず抽苔しません。

播種

ゴボウは耕土が深く(90cm以上)、肥沃な畑で栽培するとヒゲ根が少なく品質のよいものが収穫できます。
地下水位の高い畑や、水はけの悪い畑では岐根や腐敗が多くなります。
ゴボウは連作をすると土壌病害が発生するので、4~5年は同じ場所に作らず輪作を行うようにします。
種皮に発芽抑制物質があるので、一昼夜水に浸してからまくと順調に発芽します。
種がかくれる程度に軽く覆土します(好光性種子)。

ゴボウのタネ

ゴボウの発芽

[点まき]

[条まき]

■施肥量
1回の栽培に必要な施肥量(全体)は、目安として10㎡当たり成分量でチッソ200~300g、リン酸250~350g、カリ200~300gを、元肥2/3、追肥を1/3の割合で施用します。
ゴボウは生育期間が長く肥沃な畑を好むので、あらかじめ完熟堆肥の施用を行いましょう。
元肥は緩効性肥料を利用するとよいでしょう。

間引きと追肥

播種後2カ月間は、初期生育がとても遅く雑草に負けやすいのでこまめな除草作業が必要になります。
条まきの場合、1回目の間引きは子葉が展開後、2回目は播種後1カ月で本葉が2~3枚程度になったら10cm程度の株間で最終の間引きをして追肥を行います。
追肥は1回につきチッソ成分で40~50g/10㎡を目安に施用します。
2回目の追肥は最終間引きから1カ月後、本葉が5~6枚のころで、この時期から根の肥大がはじまります。
追肥と同時に中耕と土寄せを行います。
土寄せは、成長点が埋まらない程度に軽く根首部に土を寄せます。

①間引き1回目 子葉展開時
2~3cm程度に間引く

②間引き2回目 本葉2~3枚
10cm程度に間引く

本葉5~6枚

収穫

収穫には播種後120~150日ぐらいかかります。
根径が1cmぐらいになったころから、「若ゴボウ」として利用することができます。
早生種は根長70~80cm、晩生種は1m以上になるので、掘り取りの際は折らないように注意しましょう。
春まきでは、早掘りする以外は収穫期間は長く越冬できます。

100日程度で収穫できる根長35~45㎝程度の短根品種もある。

■ヤケ症(黒変障害)
根部が黒褐変するヤケ症(黒変障害)は、連作による病原菌やセンチュウが原因になります。
症状が皮黒(表面が黒変)・・・根腐病(ピシウム菌)、黒アザ症(リゾクトニア菌)、ネグサレセンチュウ。
症状が芯黒(内部が黒変)・・・萎凋病(フザリウム菌)。

Q&A

ゴボウの表面に染み状の斑点ができます。何かの病気でしょうか?

ゴボウを食べるのは世界でも日本人ぐらいですが、中国では薬用として利用されています。

食物繊維が豊富で、便秘や大腸ガンの予防に効果があるといわれ、煮物、きんぴら、天ぷらのほか、サラダとしても使われ、人気が高い野菜です。

ゴボウの表面にできる暗褐色から暗黒色の染み状の斑点は、一般にやけ症と呼ばれ、連作障害の1つです。ピシウム菌による根腐病やリゾクトニア菌による黒あざ病、フザリウム菌による萎ちょう病などの病害が原因で発生します。

予防法としては連作を避け、4~5作以上ゴボウの作付けをしないことです。スイートコーンやラッカセイなどと輪作するとよいでしょう。

なお、被害株は除去することが大切です。

栽培期間が長いと被害が増加する恐れがあるので、若堀りによって被害を最小限に抑えましょう。

ゴボウの根が分かれます。どうしてでしょうか。

ゴボウの根は土中に障害がなければ1mくらいまでまっすぐ伸びますが、途中に小石や肥料のかたまり、未熟堆肥等が多くある時や、作土が浅く下の層が固い場合等障害があると分岐しやすくなります。

そのほか岐根になる理由として、生育初期の過湿による根傷みが考えられます。またネコブセンチュウが根の先端部から侵入し、根部が分岐して直根にならなかったり、根の表面の所々に黒斑状のえそ部を生じたりします。

さらにネグサレセンチュウの被害を最もよく受ける作物で、主根の先端が根腐れをおこし岐根となり、連作により年々ひどくなります。

栽培に当たっては、他の作物との輪作に努め、有効土層1m以上の畑を選び、十分深く耕して土のかたまりを砕いておき、畝立てをして排水をよくします。また、なるべく前作に、1坪当たり完熟堆肥10㎏、炭酸苦土石灰3 0 0gを施用し、よく混和しておきます。