アスターの上手な栽培方法・育て方
アスターの基本情報
- 発芽適温20℃
- 生育温度5~25℃
- 発芽日数10日
- 播種量/1a40(移植)~80(直播)ml
- 学名
- Callistephus chinensis
- 分類
- キク科
- まく時期
- 9~10月(秋まき) 4月上中旬(春まき)
- 開花期
- 6月上~7月下旬(秋まき) 7月中~9月中旬(春まき)
- 花の色
- 紅赤、桃、紫、青、白色
- 用途
- 切花、花壇、鉢植え
- 耐寒性
- やや弱い
アスターとは(アスターってどんな花?)
一名エゾキクと呼ばれ、中国原産の古くからよく知られた草花です。わが国では主に夏の切花、特に仏花として多く利用しますが、花色や花型も豊富で、一斉に開花し、草たけも40~80cmですから、家庭の花壇に使うと大変美しく映えます。花はまく時期をずらすことによって、6~9月までかなり長期間楽しめます。草姿は箒立て性が主で、ポンポン咲き、平弁半八重咲き、平弁抱え咲き、中輪、大輪などがあります。花色も白、桃、紅赤、紫、青色、さらに中心部が白や黄色の鮮やかな蛇の目状となるものなど多くの種類があります。
栽培手順 各ポイント
タネまき
秋まき(9~10月)もできますが、通常4月上中旬にまけばよいでしょう。
まき床はよく耕して表面を平らにし、浅い溝をつけて3~4cm間隔にまきます。うすく土をかけた後、たっぷり潅水し、発芽するまで乾燥や雨に打たれないようにビニールか新聞紙をかけておきます。
植え付けと手入れ
本葉2~3枚のころに1度仮植をするか、そのまま間引きをしてうすい液肥を施し、本葉が8~10枚のころに花壇へ植え付けます。
秋まきの場合は、苗床で霜除け用のビニールトンネルか寒冷シャをかけてきびしい寒さを防いでやります。
植え付け地は日当たりがよくて排水のよい場所を選び、堆肥を主に少量の化成肥料と木灰などを入れてよく耕します。株間は20~30cmとし、花色や開花期を考えて配置よく植え付けます。植え付け後は2~3回うすい液肥か油粕の腐汁のうすめたものを施します。苗の時期に立ち枯れ病のほかに、高温時にはサビ病、斑点病が発生しやすく、またウリバエ、ヨトウムシの害虫も多いので、薬剤散布を2~3度行なってください。アスターは同じ場所に2度つくることは絶対にさけてください。
Q&A
- アスターは連作に弱いと聞きましたが、キク科の栽培の後に植え付けるのは避けた方がよいですか。
-
同じ植物や近縁の植物を毎年同じ場所および同じ土で栽培し続けると、生育が悪くなったり病虫害を受けやすくなる「連作障害(忌地現象)」が出る場合があります。
連作障害は植物によって出やすいもの(連作を嫌うもの)とそうでないものがあります。出やすいものとしては、草花ではキク科のアスター、マメ科のスイートピーやルピナスなど、野菜ではウリ科のスイカ・キュウリ、ナス科のナス・トマト・ピーマン、マメ科のエンドウ・ソラマメなどがよく知られています。
この障害の対策および軽減策としては、次のような作業があります。土壌消毒や土壌の入れ替え、深耕して天地返しする、有機質堆肥の施用、善玉菌になる微生物が含まれる資材を使ったり、接ぎ木苗など耐性のある品種を選ぶことなどが挙げられます。しかし、いずれも完全な対策とはいえません。
連作障害の原因として多いのが、その植物を好む病原菌やセンチュウなどの害虫が増殖して土中に多く残ることです。それが繰り返されると病原菌の密度が高くなり植物が発病しやすくなることがあります。また土壌養分がアンバランスになったり、生育阻害物質が蓄積されるともいわれています。
この循環を断ち切るのが輪作で、連作障害対策の基本となります。輪作とは、同じ土で同じ植物を作り続けないで、ほかの植物と組みあわせて一定のサイクルで作付計画をすることです。
ご質問のアスターの連作障害としては、立枯病など土壌が原因の病気にかかりやすくなることが考えられます。前作がキク科植物で、次作にも同じキク科のアスターを栽培する場合、前作の種類が土壌病害の少ない和菊(小菊類)であれば病原菌の残留もさほど多くないと想定されます。そのため連作障害は少ないかと思われますが、避ける方が無難です。
アスターを栽培した後、再びアスターを栽培するまでには5年以上の期間を開けるようにしましょう。