果実を食べる野菜は、実の中に種子ができたら結実して大きくなるのが基本です。それは種子を充実させ、子孫を残すために必要だからです。

　内部に種子ができなければ、ほとんどの場合、花がしぼんだ後に落ちてしまいます。まれに落ちないことがありますが、種子がないまたは非常に少ないと、充実させて子孫を残す役目が不要のため、果実の肥大が途中で止まってしまいます。

　果実の中に種子を作るためには、開花時の諸条件が整うことが大切です。

①雌シベと花粉が正常にできている。

②気温が低すぎないこと。

③交配してくれる虫が飛んでくれる。

④花が雨に濡れない。

　家庭菜園でよくあることは、定植が早すぎ、温度が十分でない時期に花が咲いてくるため、①～③の条件が揃わない、開花期にくもりや雨の日が続いてしまうなどです。

　対策としては、無理な早植えをしないこと、雨天時には開花前日の夕方から雨よけの対策を行い、花を濡らさないこと、積極的に人工交配を行うことです。