トマトの定植の基本は第１花が開花を始める大きさの苗を植えることです。開花始めの苗を育てるには春先約55日前後の日数が必要で、播種は３月10日ごろになります。しかし、３～４月はまだまだ寒いため安心できる育苗施設が必要です。まず、発芽を確実にさせ、発芽後の幼苗を管理する小型の電熱育苗器と、次に日中および夜の温度を確保できるビニールハウスがなくてはよい苗の生育はできません。

　また、近年５～６葉の若苗（40日育苗くらい）を定植する人も増えてきましたが、管理がやや難しいため、やはり開花を始めた苗の定植が安心です。その理由は、左記のとおりです。

①寒さがまだ残っている時期に安心して植えられる強さがある。

②定植後すぐに着果してくるので過繁茂の生育になりにくい。

③トマトの花は各段とも１段目の花房と同じ方向に着きやすいので、定植時に作業通路に向きを揃えて植えることで、その後の作業がしやすくなる。