野菜に関するQ&A
昨年2月にタネまきしたダイコン‘耐病総太り’が抽苔(トウ立ち)してしまいました。どうしてでしょうか。
昨年2月にタネまきしたダイコン‘耐病総太り’が抽苔(トウ立ち)してしまいました。どうしてでしょうか。
青首ダイコンの代表種‘耐病総太り’は太りがよく、特にス入りの遅い良質なダイコンとして適応性の広さとあいまって幅広く愛用されています。
ところでダイコンの生育は、20℃前後の冷涼な気候を好みますが、発芽時に12℃以下の低温に当たると生長点が花芽に分化し、抽苔(トウ立ち)してしまい根が肥大しないばかりでなく、芯がかたくなったり、スが入ったりして食べられなくなります。昨年2月まきの‘耐病総太り’が抽苔したとのことですが、本種の春まきでの早まきの限界は、播種後半月間の平均気温16~17℃が目安です。これは一般地での露地栽培では4月下旬ごろとなり、2月まきでは抽苔を招くのはやむをえません。
しかしながら早春まきのダイコンでは、トンネルとマルチを併用すると、トンネル内の夜温の低下が抑えられるうえ、昼間のトンネル内温度が25℃以上となり、前夜の低温感応を打ち消す効果があるため、花芽分化が抑えられるとともに、保温によりダイコンの生育を促します。そのため露地栽培の播種期より半月は前進することが可能です。とはいえ2月まきをするには、‘つや風’や‘藤風’のような低温感応性の鈍い晩抽性品種を選ぶことが大切です。