イチジクは葉が大きいため蒸散量が多く、それだけに土壌水分の要求量も多い果樹です。根の分布は浅い方なので、鉢植えでは干害を受けやすく、特に果実の肥大期に過乾燥させると生長が止まってしまい、幼果のまま干涸び落ちることがあります。そのため、鉢栽培ではできるだけ大鉢を用い、腐葉土など有機質を多めに混入した保水性と排水性のよい用土を使います。

　しかし、水分を多く要求するからといって常に湿っている過湿状態では、根の伸張が悪くなるほか、実の糖度も上がらずよくありません。鉢の表土が乾きかけたら鉢底から水が出るくらいたっぷりと潅水します。

　また、イチジクは樹勢が強く、果実のなる期間が長いためそれだけ肥料を必要とし、肥料が不足すると果実の肥大が悪くなります。生育期間中は肥料切れのないように、緩効性肥料を元肥として施すほか、月１回程度こまめに追肥を与えます。