果樹に関するQ&A
ブドウの花が咲きますが、実が太らずに落ちてしまいます。どうしてでしょうか?
ブドウの花が咲きますが、実が太らずに落ちてしまいます。どうしてでしょうか?
ブドウは、病害虫の種類・被害も多く、質問内容から次のようなことが考えられます。原因を突き止めて適切な防除処置をしてください。
①病害によるもの
黒とう病…葉や新梢に発病すると奇形や斑点が生じ、花穂に発病すると花は黒くなり花流れを起こす。果実では褐色の小斑点が生じ、肥大不良で成熟期になってもやわらかくならない。
灰色かび病…花穂や果実に発生が多く、花梗(花茎の部分)が褐色になり花流れを起こし、果実は褐色になり腐敗し、灰色のカビが生じる。
晩腐病…成熟間際の果実に淡褐色の斑点が生じ、次第に全面に広がり、しおれて腐敗する。
房枯病…果梗部分から褐変し、果実はしわができて黒色~ミイラ状になる。
べと病…葉には不鮮明不整形な斑点を生じ、白色のカビが密生して早期落葉する。果実は果粒が変色してしぼみ、脱粒や硬化をする。
②虫害によるもの
ブドウスカシバ…新梢の中に入るため、食入された先端は生長が止まり徐々にしおれ、果実もしおれてくる。食入した孔から糞を排出する。
カミキリムシ…枝の内部を食害しながら生長するため、枝の先端は急激にしおれ、枯れる。糞は外に出さず茎の内部にためるため、樹皮が膨らみ黒くなる。
そのほか、果房・果粒をつけ過ぎると果実の肥大が悪く品質もよくなりません。ブドウ栽培では摘穂・摘房・摘粒作業は欠かさず行いましょう。