イチゴは休眠状態で葉が赤くなって枯れてきますが、心配ありません。休眠はイチゴにとって厳しい条件である冬場を乗り切るための自衛手段といえます。地上部はできるだけ小さく、また地に這った姿で寒さをしのぎながら、地下部の根には養分を蓄え、春に備えています。したがって低温期を乗り切るために極端に乾燥が続く場合には水やりも大切です。

　イチゴの習性として冬に向かう低温と短日は花芽の形成を促進する条件となり、通常、休眠に入る前に花芽形成が行われます。

　秋に花芽が作られ、それをもったまま休眠に入って越冬し、ある一定期間の低温に遭遇することで休眠が破れます。３月初旬ごろ、暖かくなると新葉が出てきて元気に生育します。その後の高温・長日条件で、茎や葉、ランナー（匍匐茎）などの栄養器官が盛んに生長します。それと同時に前年秋に作られた花芽が発育して、開花結実し、５～６月には赤く甘い果実が実ります。