ニンジンがまた根になるのは、直根が伸びる初期に何らかの障害があるのが原因です。栽培にあたっては発芽を揃えるとともに、適正な間引きで素直に直根を伸ばすことを目指しましょう。

　また根になる畑の原因として、石が多い、排水不良、耕うん不良および畝の高さの不足などが考えられます。よく耕し、有機質に富んだふかふかした土づくりを心掛けましょう。

　そのほかに土壌害虫（ネグサレセンチュウなど）が生育初期に根を食害することによっても、また根が発生します。土壌消毒、輪作および緑肥（マリーゴールドやエンバクなど）によってセンチュウを抑制するとよいでしょう。

　化成肥料の過多、施肥ムラなどもまた根や裂根の原因となるので、株元への肥料の多用は避けます。さらに、未熟堆肥の施用はまた根を誘発するので、よく腐熟したもの以外は使わないようにします。栽培予定地には前作の時に十分施用しておきます。

　また、古いタネは根の伸びる勢いが弱いため、また根や曲がりやすくなります。有効期限の切れたタネはなるべく使わない方がいいでしょう。