果樹に関するQ&A
昨年は実をつけていたカキが、今年は実をつけません。どうしてでしょうか。
昨年は実をつけていたカキが、今年は実をつけません。どうしてでしょうか。
カキの実つきが悪い、つかない原因には、花つきがよいか悪いかが影響してきます。
花つきが悪いのは前年度に実をつけすぎたため木が弱り、花芽を作る力がなかった場合です。また、不適切な剪定をした場合も考えられます。
カキの花芽は6~7月に新梢(発育枝)の先端部分につきますが、徒長枝や弱枝および結果枝(前年に果実がなった枝)にはつきにくいです。この性質により、前年に実をならせすぎると充実した枝ができず、花芽を作らないため翌年は実がつかないという「隔年結果」が起こります。この対策として、花の咲く前に多すぎる蕾をとることと幼果を間引くことが大切です。これは隔年結果を防ぐとともに、果実の品質向上のためにも必要です。
剪定は弱枝や不要枝、そして翌年の着果数を制限するために花芽のついた枝を間引くように行うのがよく、不用意に全体を切り縮めるようなことをすれば実がつかなくなります。
次に果実の肥大途中で落果し、実が少なくなる場合があります。受粉が不完全なものや木全体に実をつけすぎた場合に起こる、自分で実を落とす「生理的落果」という現象です。
この生理的落果とは別に、6月下旬ごろおよび8月下旬ごろにはヘタムシ(カキミガ)の害による落果もあります。この場合は枝にへたをつけたまま果実だけが落ちるので、生理的落果と区別できます。これに対しては薬剤による早めの防除が大切です。