果樹に関するQ&A
ミカンの実が昨秋になりました。しばらくそのままにしていて収穫したら中身がスカスカでした。原因を教えてください。
ミカンの実が昨秋になりました。しばらくそのままにしていて収穫したら中身がスカスカでした。原因を教えてください。
この症状は「す上がり」といわれます。樹上に長く置くと、低湿度や直射日光、強風により果実の水分が蒸散し、シワシワになります。収穫後長く貯蔵した時も生じますが、最も顕著に現われるのは、寒波にあい果実が凍結した時です。果汁を蓄える小さなつぶつぶの袋(砂じょう)の膜が破れ、果皮から水分が蒸散し「す上がり果実」になるのです。
ミカンは樹上に長く置く完熟栽培にすると甘みが増し酸味が減り、おいしくなりますが、寒波の襲来の早い地域では「す上がり」の原因になり、次年度の着花数も減るので、ほどほどの時期に収穫しましょう。
別の症状では、果皮と果肉の間にすき間ができるのが「浮き皮果実」で、皮がむきやすく食べやすい反面、腐りやすくなります。樹上での発生原因としては収穫間際に高温多湿にあう場合です。貯蔵中も多湿の場合は果皮が吸水し浮き皮となり、さらに進むと果肉が「す上がり」となりやすいです。