ミカンを育てて収穫しましたが、収穫後の施肥はどのようなタイミングで行えばよいでしょうか。
ミカンを育てて収穫しましたが、収穫後の施肥はどのようなタイミングで行えばよいでしょうか。
肥料は木が必要とする時期に吸収し利用できるように、事前に施すのが原則です。ミカン類は、一般的には春肥(元肥)と、夏肥(追肥)、秋肥(お礼肥)に分けて施用します。
春肥は、新梢の充実を早めて花の発育をよくし、着果率を高める働きがあるため、3月上中旬に施用します。夏肥は、春枝を充実させ、幼果の肥大促進を目的に行います。ただ、施用時期が遅れた場合や、土中にチッソ分が多くあった場合、果実が浮き皮になったり色づきが遅れたりして品質に悪影響を及ぼします。そのため温州ミカンの栽培では夏肥を行いません。10月になると秋肥を施します。果実の肥大後期・成熟期で、花芽分化の準備も始まり、一方では結実により樹勢が弱ってくる時期なので、樹勢を回復させるために与えます。
施用時期については、以前は収穫直後がよいとされていました。これは果実が結実した状態で施肥すると品質の低下があるとされていたからです。しかし、結実中の施肥は果実の品質に影響がないことが分かってきましたので、収穫前に与えるとよいでしょう。
施肥に適した時期は品種により多少変わりますが、一般的には収穫1~2週間前がよく、時期が早すぎると果実の着色が遅れることがありますので注意しましょう。ちなみに「宮川早生」や「興津早生」などの早生温州では収穫1週間前から直前に、「石地温州」や「南柑20号」などの普通温州では、果実に色が回ってきた11月ごろに施用するのがよいとされています。
秋肥は速効性の肥料を中心に与え、施用後に雨が少ない場合は水やりを行うと肥効がよくなります。秋肥により翌年に向けて木の貯蔵養分が増加し、樹勢を回復させ、耐寒性をつけることができます。