モグラはミミズや昆虫とその幼虫などを主食とする肉食動物で、植物はほとんど食べないようです。植物への被害として考えられるのは、トンネルを掘る際に根を傷つけたり、モグラが掘ったトンネルをネズミが利用し、作物が荒らされることです。対策はいくつかあります。

①においを利用する

　モグラの非常に優れた嗅覚を利用します。においを発する忌避剤を巣や被害の出る場所に置くことで、モグラを別の場所に移動させます。忌避剤には地面に置くタイプや直接巣穴に差し込むタイプ、直接巣穴に噴射するスプレータイプがあります。

②音波を利用する

　モグラの聴覚を利用し、地中埋め込み式の機器などを設置して苦手な音波を出し、別の場所に追い払います。ペットボトルでつくった風車で、振動を起こし忌避させる例をよく見かけます。一時的に効果は得られますが、そのうちモグラも慣れてくるため、また被害が出てしまう恐れがあります。

③モグラの侵入を防止する

　ある程度決まった範囲内を防除したい場合、その区間の周辺に金網やトタンを深さ50～60㎝ほどで埋め、物理的に侵入できないようにします。

④捕獲する

　捕獲器を本道に設置し、侵入したモグラを捕獲します。ただし、いつもの土とは違う捕獲器や人間のにおいをモグラが感じ、捕獲器を避けて穴を掘る場合があります。設置の際は手袋をして、捕獲器を土にこすりつけ、中にミミズを入れると有効です。

　ただしモグラには絶滅危惧種が存在するので、捕獲した場合は離れた場所にある自然に帰すようにしましょう。