ナツメの花が咲きません。また花が咲いても実がつきません。どうしてでしょうか。
ナツメの花が咲きません。また花が咲いても実がつきません。どうしてでしょうか。
ナツメは日当たりのよい乾燥地を好み、暑さや寒さ、乾燥に強く自家結実性もあります。実はとても甘く、生食以外でもドライフルーツにしたり薬用としても用いられるので、家庭果樹として植えておくと重宝します。
生育環境がよいと枝葉がよく伸びて茂り、ひこばえが発生することも多く樹勢が強い状態になりやすいです。こうなると枝葉の生長(栄養生長)が主となり、花や実をつける生殖生長に至らないのです。そのため生殖生長を促すよう、人為的に樹勢を少し弱らせる処理をします。
まず主枝・副主枝の樹皮にナイフなどで環状に切り込みを入れ、樹皮をはぎとる「環状剥皮」をします。環状剥皮のほか剥皮逆接ぎや刪樹などをする場合もあります。これでもまだ樹勢が強いようなら根の環状剥皮や断根(根切り)をします。同時に剪定も行い樹勢の調節と花芽着生の増進を図ります。ひこばえや徒長枝は常に剪除します。立性のため樹高が高くなりやすく、高くなった枝は切り戻して樹高を抑えると管理や収穫の作業が楽になります。
次に通常の剪定についてご紹介します。込みあった枝や弱小枝、徒長枝になるような立枝は間引いて切り、樹幹の内部にまで日当たりと通風をよくします。ナツメは充実した新梢の頂芽とその下の数芽が花芽になり、翌年にその花芽から新梢を伸ばし開花結実します。木全体を切り縮める剪定をすると、花芽のできた枝先を切ってしまうことになるので、次のシーズンは花が咲きません。
開花期は5月下旬から6月にかけてで、開花期間が長く梅雨の時期にかかり、雨に当たると受粉が悪くなります。鉢植えであれば開花期は軒下など雨がかからない所に移動させます。ナツメは自家受粉しますが、人工授粉すると安定した結実が望めます。