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野菜に関するQ&A

ハクサイの内部が腐ったように黒くなっています。なぜでしょうか。

ハクサイの内部が腐ったように黒くなっています。なぜでしょうか。

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ハクサイ内部の黒変は芯腐れで、病害ではなく生理障害です。施肥量の過多、特にチッソ過多や、カルシウム不足の場合、または土壌が過度に乾燥した場合に発生します。定植後の数週間で過度に乾燥すると、発生しやすくなります。また過湿や老化苗の定植による根張り不足や根傷みも、発生に影響します。

 生育適温は20℃前後で、冷涼な気候を好みます。播種後30日くらいで葉数が30枚ほどに分化すると、中心葉が立ち上がり結球を始めます。

 ハクサイの根は細くて弱いものの根数は多く、広く深く根を張ります。その大部分は地表から15~20㎝くらいの所にあり、乾燥や気温の影響をすぐに受けます。土壌が肥沃で団粒構造に富み、保水性・排水性がよければ、根は旺盛に養水分を吸収できます。ただ根は乾燥に弱く酸素要求量が大きいので、過湿には弱い特性があります。土壌に十分な施肥量があっても、貧弱な根では養水分を十分に吸収できず、芯腐れが起こりやすくなるのです。

 中間地では秋冬どりと4月どりができます。秋冬どりでは暑い期間にタネをまき、9月に定植します。時期が遅くなるほど地温が下がり活着が遅れるので、マルチを張って地温を高め、根の生育を促進します。4月どりでは、タネまき時期にはまだごく低温なので、育苗温度を約15℃に保ち育苗します。

 定植期の1月下旬~2月下旬もまだ低温なので、根を低温に順化させておきます。畝にあらかじめマルチを張りトンネル被覆をして、保温に努めます。定植後には十分に水をやり活着を促進します。日中の気温が30℃を保てるように、不織布などでベタがけをすれば初期生育を促進できます。温暖になれば、トンネル・ベタがけを外します。

 秋冬どりでは‘きらぼし系’や‘晴黄系’品種、4月どりでは‘春ひなた’は、芯腐れの発生が抑えられます。 月刊誌Q&A 野菜