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果樹に関するQ&A

ポポーは1本で結実するタイプがあると聞きましたが、混植した方がいいのでしょうか。

ポポーは1本で結実するタイプがあると聞きましたが、混植した方がいいのでしょうか。

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ポポーは北アメリカに10種ほど分布しているバンレイシ科の落葉中木で、日本には明治の中頃に導入されました。耐寒性が強く病害虫の心配も少なく、また、植え付けから3~5年で結実することから、当時から家庭用の果樹として植えられていたようです。以前、山歩きをしていた時に思わぬ所でポポーの木に出合い、その地が廃村跡であったことが思い起こされます。

 さてご質問の件ですが、植物は花を咲かせ受粉・結実し分布域を広げ、子孫を残すために生きているといえます。そして、多くの植物は生き残るために有利な遺伝的多様性を獲得できるよう異なった遺伝情報をもつ、ほかの株の花粉により種子を実らせます(他家受粉)。必ずしもすべてがそうではなく同じ株で受粉し、多くの種子をつけ分布域を広げているものも多くあります(自家受粉)。

 ポポーの場合は、自家受粉では結実しない自家不和合性ではありませんが、雌しべが雄しべより先に熟して(雌性先熟)、自家受粉しづらい仕組みとなっています。そのような性質なので、特に花の数が少ない若木のうちはほかの品種と混植した方が、花数も多く開花期間も幅があり、受粉し結実しやすくなります。

 さらに受粉を確実にするためには人工授粉も有効な手段です。ぜひ手間の掛からないポポーを育てて、独特のクリーミーでまったりとした食感をお楽しみください。秋の果実も魅力的ですが、春に小さくうつむき加減に咲く、目立たないけれどもチョコレート色に色づく花も愛らしいものです。 月刊誌Q&A 果樹