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種子の覆土は必ず必要ですか。
種子の覆土は必ず必要ですか。
種子から芽生え植物が一生のスタートを切るには、水分、空気(酸素)、適度な温度という三つの要件を満たす必要があります。これらの条件を満たすまで種子は仮死状態で、中には何千年もの間眠り続けるものもあります。日本でも、弥生時代の遺跡から発見された種子が芽を出し花を咲かせた「大賀ハス」はよく知られています。一般に芽生えてから寿命の長い樹木は種子の寿命は短く、芽生えてからの寿命が短い草本類は種子の寿命は長く、花壇では雑草との戦いとなります。
また、三条件が揃っても発芽せず、休眠から目覚めるために光が必要な種子も多くあります。光によって発芽が促進され芽生えるものを「光発芽種子(好光性種子)」といい、逆に光によって発芽が抑制されるものを「暗発芽種子(嫌光性種子)」といいます。光が発芽に関係しない種子もあります。
ご質問の種子の覆土については、前述のように発芽条件に違いがあるため、光発芽種子に覆土すると発芽が阻害され、暗発芽種子に覆土をしないと、今度は発芽しないということとなります。一般に光を好む陽生植物や貯蔵栄養分が少ない微細な種子は、芽生えて早く光合成が行えるよう、光の条件が満たされないと発芽しないよう適応してきたものが多いと考えられます。ペチュニアやキンギョソウ、プリムラ類などは光を好み、シクラメンやハゲイトウ、ジニアなどの種子は光を嫌います。
種子を購入されたらタネ袋の裏面にタネまきの適期や適温などさまざまな情報が書かれているので参考にし、それぞれの種子に合う方法・条件で植物の一生の好スタートを切ってください。