オクラの果実にイボが出たり、変形します。原因と対策を教えてください。
オクラの果実にイボが出たり、変形します。原因と対策を教えてください。
イボ果や曲がり果などの変形は、病気ではなく栽培環境の悪化によるストレスが原因で起こる生理障害です。過繁茂や極端な草勢低下、低温や日照不足でも助長され、品種間差も大きいようです。特に過繁茂では幼果が葉やがくにすれて傷がつき、イボ果になることが報告されています。そこで環境ストレスの起こらない、栽培環境づくりが重要になります。
そのため畑に堆肥を十分に入れて深耕し、排水を改善して根の十分な伸長を図ります。そのうえで施肥量を守り、また高温期には乾燥しやすいのでこまめに水やりをします。そうすれば乾燥と過湿を防げて根系が広がり、草勢の低下や過繁茂を防げます。
草勢が低下する原因は日照不足、気温の低下、極端な乾燥・過湿による根傷み、肥料不足が考えられます。タネまきの目安は気温15℃以上に暖かくなってから、タネを1カ所に3~4粒、重ならないように点まきします。施肥量が適正でも、根の伸長が悪ければ肥料吸収は悪くなります。また密植になれば肥料不足になることもあり、施肥量と株間が20~30㎝かどうかを確認します。肥料不足であれば、その後の追肥量を多めにします。草勢が強すぎる原因は、施肥量が過多なためか、株間をあけすぎたためです。この場合には摘葉することにより草勢を弱めます。
草勢が適正だと茎の先端の花より上に葉が3枚程度あります。草勢が強いと花より上の葉数が5枚以上になり、葉の切れ込みは浅くなります。草勢が弱ければ花より上の葉が1~2枚で、葉の切れ込みは深くなります。果実の収穫時には果実直下に葉を1~2枚残し、それ以下の葉は切り取り、通風と採光を図ります。イボ果の発生が多い場合は、イボ果発生の少ない品種‘グリーンソード’を使うのも効果的です。