果樹に関するQ&A
スモモの実が丸くなりません。原因と対策を教えてください。
スモモの実が丸くなりません。原因と対策を教えてください。
スモモはバラ科の落葉中高木の果樹で、日本でも古くより栽培されてきました。耐寒性はモモより強く、高温乾燥にも強いので北海道から九州まで広く栽培されています。一般には自家不和合性の品種が多く他品種の授粉樹が必要ですが、品種により自家結実性のものもあり、家庭で育ててみたい果樹の一つです。
実が丸くならないのは「ふくろみ病」が原因ではないかと思われます。被害は落花後まもない幼果に発生し、発病果は長楕円形や長刀状に湾曲するなど奇形果となり、やがて扁平な莢状に健全果の5倍ほどふくれあがり、表面には小じわができ白粉で覆われます。
この病気は、かびの仲間の糸状菌や子のう菌類が原因で、発生は発芽から開花期にかけての降雨が大きく関係し雨が多いと大発生する可能性があります。発病を確認したら発病果からの二次伝染はありませんが、翌年度の伝染源となるので、すぐに採集して処分してください。薬剤による防除は発生後では間に合わず、発芽前の休眠期に適用作物・病害虫を確認し、石灰硫黄合剤などの殺菌剤をムラなく散布することが極めて有効です。ふくろみ病の発病には品種によりバラツキがあり、これから栽培を始める方は事前に品種特性を確認することも参考になります。