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花に関するQ&A

野菜は多くの種類が畑に直まきできますが、草花のタネを直まきしてもあまり発芽しないのはなぜでしょうか。

野菜は多くの種類が畑に直まきできますが、草花のタネを直まきしてもあまり発芽しないのはなぜでしょうか。

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「野菜は多くが直まき、草花は直まきでは育たない」ことはまったくないですよ。植物により直まきが向くもの向かないもの、ポットなどで育苗してから定植した方がよいものとさまざまです。例えば野菜でもダイコンやニンジンなどの根菜類は、可食部である根の部分が土中深くまっすぐ伸びてから肥大するので、ポットなどでの育苗は不向きです。ホウレンソウやコマツナなどの軟弱野菜はタネまきから収穫までの期間が短く、育苗してから定植しても手間が増えるだけなので直まきします。

 トマトやキュウリなど果菜類は1袋の粒数が少なく、直まきし間引きする栽培ではなく、経済性からもポットなどで確実に育苗し、定植します。また、天候に左右されずに水分条件などの管理が必要なオクラやカボチャなどもあまり直まきには向いていません。草花も同様に、直根性で移植を嫌うヒナゲシ(ポピー)やハナビシソウ、ネモフィラ、ヒマワリ、マリーゴールドなど比較的大きなタネのものは直まきが向きます。

 草花の直まきであまり発芽しなかったというのは、いつ採種されたタネか?、水管理やまき時は適切だったか?、芽切りが必要な硬実種子でなかったか?、そして光条件も発芽に大きく左右されます。しっかり覆土し光を遮断しないと発芽率が悪くなる嫌光性種子か、ほとんど覆土を必要としない好光性種子かなど、タネ袋の情報などを確認し、原因を考えてみてください。

 京都府立植物園では花壇を育苗で長期間占有させるわけにいかず、害虫や鳥の食害、雑草対策、天候に左右されないなどの管理面からも、バックヤードで肥培管理・鉢増し、しっかり育ててからほかの草花とコーディネートし花壇に植栽します。花壇一面に秋を彩るコスモスだけは直まき栽培しています。 月刊誌Q&A 花