果樹に関するQ&A
ミカンを収穫して食べたところ甘くなかったです。甘くするにはどうしたらいいですか。
ミカンを収穫して食べたところ甘くなかったです。甘くするにはどうしたらいいですか。
一般にミカンというとウンシュウミカンを指し、柑橘類の中ではユズ類に次いで耐寒性が強く、関東地方以北でも海岸沿いの温暖な場所では露地栽培は可能です。甘くおいしく育てるために重要な作業は、摘果です。摘果し果実の数を制限しなければ株の栄養が分散してしまい、甘く熟さなくなります。隔年結果を防ぐためにも重要な作業です。
ウンシュウミカンでは生理落果が終わる7月下旬~8月中旬ごろに、葉25~30枚当たり1果になるように摘果します。勢いの強い上向きの枝についた果実は皮が厚く、酸の抜けがよくなく大味になるので摘果し、下向きの枝についた果実は大きくはなりませんが、皮が薄くおいしくなるので残します。
次に大切な作業は整枝・剪定です。剪定によって木が若返り、どの枝にもしっかりと日光が当たりおいしい果実を実らせてくれます。収穫作業もしやすくなり病害虫の発生を抑えることにつながります。剪定適期は2月下旬~3月上旬です。木の広がりや樹高を抑える場合は、枝の分岐部で剪定しコンパクトにします。枯れ枝や込み合った枝、内向きの枝は、枝の基部から切り取ります。前年に結実した枝は花芽ができないので約3分の1に切り詰めます。花芽は、前年に結実しなかった2年枝、3年枝の先端付近につくので、すべての枝を剪定しないようにします。
収穫はオレンジ色に色づいたものを順次収穫しますが、霜が当たりやすい樹冠の上の方から収穫し、下の方のものは最後に収穫します。単為結果性で受粉樹もいらないウンシュウミカンを庭木の一つに加えて、みずみずしく甘い果実を味わってみてください。