春に収穫したジャガイモを、秋のタネイモとして使うのはおすすめできません。それは、貯蔵中にイモがしなびてよい芽が出なかったり、ウイルスに感染していたりしてイモのできが悪く、収量が少なくなりがちだからです。ウイルスは約10種類あり、罹病していたとしても見た目には症状が出ていないことがあります。

　そういったイモをタネイモとして植えると、できたイモが角張ったり、窪みが出たりします。ウイルス病はアブラムシが伝搬して感染し、罹病株に接触してもうつります。育てていた株は、春に収穫するまでに葉が巻いたり、モザイク症状が出たりしていなかったでしょうか？もし、そんな株から収穫したイモをタネイモに使うと、収量が減るだけでなく、畑を汚染させる危険性もあります。

　ジャガイモは重要な野菜です。「植物検疫法」に基づく指定種苗にもなっていて、無病のタネイモを生産することが法律で決められています。また、未検査のタネイモを流通させることは禁止されています。ですから清潔な環境下で育てられ、植物検疫法の定める検査をクリアし、タネイモ用として売られているジャガイモを使いましょう。