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果樹に関するQ&A

クリの実が大きくなる前に落果してしまいます。何が原因でしょうか。

クリの実が大きくなる前に落果してしまいます。何が原因でしょうか。

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クリが収穫する前に落果してしまう原因としては、「生理的な落果」「病害虫による落果」「台風などの気象的な要因による落果」が考えられます。中でも原因の大部分を占めるのは、生理的落果によるものです。クリの生理的落果が起きる時期は、7月下旬~8月上旬を境として2回の波があり、7月以前の落果を早期落果、8月以降の落果を後期落果と呼んでいます。

 まず、早期落果は品種により差がありますが、一般に6月下旬~7月下旬に集中します。その原因は、結果母枝や結果枝の栄養状態が悪く、果実が発育不良で落果してしまうことです。また、日照不足も影響します。日当たりの悪い所では、雌花をつけても幼果の間に落果してしまうことが多くなります。

 対策としては、前年に豊作だった場合は樹勢が弱っているので、お礼肥を施すなどの適切な肥培管理により樹勢の維持増進を図ります。併せて、内側に伸びた枝や重なった枝、込み合った枝など不要枝は間引き剪定し、樹冠内の日当たりを改善します。

 次に、後期落果の原因は主に不受精によります。クリは多くの果樹と同様に自家不結実性が強いので、受粉樹として同時期に開花する異品種を植栽する必要があります。また、養水分を供給する量が不足したり、天候不良により日照不足になったり、夏季の干害なども生理的落果の原因となります。

 昨年は特別な猛暑で、クリの生理的落果がニュースになりました。そのような場合には、水やりを行うなどの対策も必要となってきます。 月刊誌Q&A 果樹