野菜に関するQ&A
トマトの花房から新たに茎が発生してしまいます。どうしてでしょうか。
トマトの花房から新たに茎が発生してしまいます。どうしてでしょうか。
トマトでは主茎の先端に花房ができると、その後次々と花芽が分化します。花房のすぐ下の葉腋(茎と葉の基部の間)からわき芽が分化して、葉を3枚分化した後、先端に花芽ができると、再び花房直下のわき芽が伸びだします。それでトマトは見かけ上、主茎の横に3葉おきに花房がつくように見えます。トマトではこのように花芽ができる一方で、葉も分化していて、栄養成長と生殖成長が共に起こっています。
施肥量が適正であれば、花芽が増加しながら、早い時期にできた花芽から開花し、受精して果実になります。しかし施肥量が多すぎたり、水やりの量が多かったりすると、栄養過多、特にチッソ肥料の過多になり、花芽や果実から新梢(若い茎葉)が分化して、葉が大きく成長してくることがあります。これを生殖成長から栄養成長に戻ったと考えて、「花房あるいは果房からの若返り」と呼びます。
このような状態が見られたら、水やりを控えて土を乾燥させ、これ以上肥料を吸収させないようにします。施肥されたチッソ肥料はアンモニア態チッソや亜硝酸態チッソ、硝酸態チッソに変化していきます。中でもトマトはアンモニア態チッソを好み、硝酸態チッソがあってもアンモニア態チッソを先に吸収します。そこで水やりの量が多い場合には、チッソの吸収が過多になり、花房からの若返りが起こったのでしょう。
なお花房や果房から出た新梢は、見つけ次第、摘み取るようにしましょう。