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土壌改良のためだからといって、石灰をやりすぎることはよくないと聞きましたが、本当でしょうか?
土壌改良のためだからといって、石灰をやりすぎることはよくないと聞きましたが、本当でしょうか?
石灰は植物の生育にとって必須の要素です。強いアルカリ性のため、土壌の酸性を中和させるのに絶大な効果があります。よって、花壇や鉢植え用土に石灰を施す主な目的は、酸性土壌の中和です。植物の種類により、それぞれ好適な土壌酸土がありますが、一般的には中性が好ましいと考えられています。
わが国のように比較的温暖で雨の多いところでは、土壌中のアルカリ成分(カルシウム、マグネシウム、カリなど)が雨で流失し酸性土壌になっています。酸性が強くなると、植物に必要な成分(リン酸、カルシウムなど)の吸収が妨げられ、主要栄養分の欠乏をきたします。その一方で、植物に有害なアルミニウムが大量に溶け出すなど、強い酸性土壌では、園芸植物の多くは生育が悪くなってしまうのです。
石灰を施し中性を保つことによって、リン酸の有効化、土壌の保肥力の増大、微生物の活性による有機物の分解促進、土壌団粒の形成など、幅広い土壌改良効果が得られます。
しかし、石灰をつい多めに施すこともありがちで、その結果、今度はアルカリ性になってしまい、必要な微量要素が吸収されにくくなるほか、さらにアルカリ性が強い場合は、根の組織が侵されて生育障害を招きます。
市販されている石灰質肥料としては、①消石灰②苦土消石灰③炭酸石灰④炭酸苦土石灰などがあります。いずれもアルカリ性の資材で、強さは①~④の順になります。苦土(マグネシウム)は鉄分とともに葉緑素をつくるのに不可欠の要素です。酸性化した土壌は苦土が欠乏しやすいので、苦土を含む石灰の使用が有効です。