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果樹に関するQ&A

ユズを鉢植えで育てていた時は実がなっていたのですが、露地に移植したところ、実がならなくなりました。どうしたら再び実をならせてくれるでしょうか?

ユズを鉢植えで育てていた時は実がなっていたのですが、露地に移植したところ、実がならなくなりました。どうしたら再び実をならせてくれるでしょうか?

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鉢植えで果実をつけていた成木が、地植えにした後に果実がつかなくなることは、ユズに限らず多くの果樹に見られる現象です。

 根域が制限された状態で実をつけていた鉢栽培のユズは、庭に植え付けたことで、根を張り広げる場を得て元気を増し、旺盛に生育します。つまり、若返りの状態です。若木は一定の期間は、栄養器官である茎葉を盛んに形成するのみで、生殖器官の形成はされません。この発育過程を園芸の分野では「栄養生長」と呼んでいます。一方、花芽分化、開花、結実に至る一連の生長を「生殖生長」と呼びます。

 ご質問のユズは、露地に植え替えたことにより、再び若木のように栄養生長の状態にあるといえます。その後、樹が成熟することで生殖生長に入ります。不結実状態は2年くらい続きますが、その間に枝は増えて大きく育ちますので、将来、成木として安定すると、結実数が増えて品質の向上も期待できます。植え替え後の施肥はチッソ分を控え目とし、リン酸とカリ分は十分に与えるように心がけ、特に油かすのみの多用は、栄養生長を助長し結実しない状態が長引きますので注意します。

 また、地植え後も樹が大きくなるのを抑制して育てたい場合は、抜きとった根鉢を不ふ織布しょくふで包んで植える方法があります。厚さ2~3㎜の不織布は水を通しますが、根は外へ伸びにくいので、鉢植えとほぼ同じように生育し、若返り現象は起こりません。ただし、管理のうえでは鉢植えに準じ、夏場などの乾燥時には水やりを多めにする必要があります。 月刊誌Q&A 果樹