庭の土が粘質土なので、土壌改良してよい土に変えたいのですが、どのようにしたらよいですか?
庭の土が粘質土なので、土壌改良してよい土に変えたいのですが、どのようにしたらよいですか?
庭全面の土壌改良は容易なことではありません。ここでは家庭園芸にふさわしい誰にでもできる方法を考えてみましょう。
粘土質土壌とは、水を含むと粘性をもつ土の総称で、その構造は、極めて微細な粒子が密に積み重なった単粒構造です。通気、排水性がよくないので、水生植物を除くほとんどの園芸植物の栽培には適しません。
一般の草花に適した土とは「壌土」と呼ばれる、約60%の砂に、粘質土と有機物が40%程度混じる土がよいといわれています。
土壌改良とは、排水と通気性に優れ、適度な保水性をもつ土にすることで、構造的には団粒構造に変えることをいいます。団粒とは土の粒子が集まってつくられる小さな固まりです。その固まりはさらに集まって大小の団粒を成し、粗密に積み重なったものが団粒構造です。
団粒構造では土壌に大小さまざまなすき間があるので、空気の透過や、水の浸透と保持が適度に機能し、堆肥などが加わるとふんわりとした土になります。有益な微生物が殖え、その活動も盛んになり、植物の生育に寄与します。
庭の土を団粒構造に改良するには、完熟した堆肥や腐葉土などの有機質素材を入れ、適量の苦土石灰を施してよく耕します。しかし、雨上がりなど水分を多く含む時は、粘質土をこねるような状態になるのを避けるため、荒起こしにとどめます。そして、後日、適当に乾いて砕きやすくなったころを見計らい、有機質素材をすき込みます。
土壌改良を行い、よい土に変えるためには長期間かかります。家庭園芸では、草花などを栽培する場所を限定し、改良作業に着手する方法をとります。粘質土では、まず水はけを考慮して、その個所を高くします。つまり、高畝の要領で高く盛り上げた状態にするのです。場合によっては、コンクリートブロックや枕木などを利用し、周囲より一段高い植え床を作ります。通路など作付けに当たらない場所とを明確に分離し、植え場所へ集中的に改良材をすき込みます。パーライトや軽石砂など多孔質材を堆肥などとともに混入すると、比較的早めに効果を上げることができます。