タキイネット通販TOP > Q&A > 野菜に関するQ&A > パプリカの果皮に小さな穴があき、そのまま育てていたら落果してしまいました。何の被害でしょうか?
野菜に関するQ&A

パプリカの果皮に小さな穴があき、そのまま育てていたら落果してしまいました。何の被害でしょうか?

パプリカの果皮に小さな穴があき、そのまま育てていたら落果してしまいました。何の被害でしょうか?

FacebookTwitterLine

タバコガもしくはオオタバコガによる虫害と考えられます。タバコガは雑食性の害虫です。ピーマン、トマト、ナスなどのナス科のほかにカボチャ、スイートコーン、レタスなど幅広い野菜に加害しますが、特にピーマンやトマトを好み、被害が多いようです。

 タバコガの成虫は昼間葉の裏に潜んでおり、夜間になると盛んに活動します。そして葉の裏や果実に卵を産みつけると、孵化した幼虫は直ちに果実に穴をあけて食入し、果実内を食い荒らします。そのため、被害果は腐敗したり落果したりするのです。

 丸い穴のあいた新しい果実を見つけたら、果実を割ってみてください。もしも中に虫がいれば、それはタバコガの幼虫と考えられます。幼虫は大きくなると次々と新しい果実に移動して食い込むので、たとえ虫の数が少なくても被害が大きくなり、まことに始末の悪い害虫といえます。

 ところで、タバコガの防除をしようと穴のあいた果実に薬剤を散布しても、まだ果実内に侵入する前の発生初期の幼虫には薬剤効果が期待できますが、果実の中に潜んでいる幼虫に対してはほとんど効果がありません。そして成虫を退治することも非常に困難なので、タバコガを薬剤で防除するのは簡単ではありません。したがって、穴のあいた果実を見つけたら摘み取って踏みつぶすのが最も効果的といえます。

 なお、パプリカ栽培では、たとえタバコガの被害を受けなくても果実が落下する場合があります。パプリカの栽培法は、仲間である中型ピーマンの栽培に基本的に準じますが、完熟前の果実を収穫するピーマンでは多くの果実を着果させるのに対し、完熟果を収穫するパプリカでは着果数が多いと株に負担がかかって落果しやすくなります。よって、できるだけ株の負担を少なくするために着果過多を避けることが重要です。そのため1~2番果は摘果し、主枝のみに着果させることを原則とします。 月刊誌Q&A 野菜