果樹に関するQ&A
‘巨峰’を作っていますが、果皮が割れてしまいます。どうすればよいでしょうか?
‘巨峰’を作っていますが、果皮が割れてしまいます。どうすればよいでしょうか?
ブドウが収穫前に裂果する現象は、樹勢の強い品種に生じやすい傾向があり、土壌水分の変化の激しい時によく発生します。
‘巨峰‘では果粒が肥大し色づき始めるころ、果皮が縦に割れたものが見られます。
水はけ不良の場合に多く生じるといわれますが、降雨で水分過多になり、その後干天が続き、成熟が近づいたところに雨や多量の潅水による水分供給があった時が危険です。水分の多い状況に適応して生育してきた場合は、梅雨明け後に防暑と乾燥防止を兼ねて敷きわらをするとともに、果粒の肥大が完了し色づき始めるころまで、軽い湿りを与える適度の水やりを行うなど、急激な土壌水分の変化を緩和する水管理が大切です。
また降雨が続く時など、水分をためずに速やかに排水させるため、排水溝の整備が必要です。
大粒系ブドウの代表品種である‘巨峰’は、いくつかの欠かすことのできない手入れがあり、それらをおろそかにしては満足な果実は得られません。
‘巨峰’は冬の剪定が正しく行われていても、必要以上に多くの新梢が出ます。発芽期の芽かきによる新梢の制限をはじめ、1枝につける果房は1房とするなど、摘房や房の整形が必要です。開花が始まるころに房の上部の副房と支梗3~4段を除去し、房先も切り詰めます。
花後2週間ほど経ち、小豆粒くらいのころ、小果梗が太く楕円形の果粒を残し摘粒します。1房当たり30粒前後に制限して仕立てるのが適当です。