果樹に関するQ&A
オリーブの木を育てているのですが、葉の端からだんだんと茶色く枯れてきました。水はけのあまりよくない場所に植えているので、それが原因かなと思うのですが、いかがでしょうか。
オリーブの木を育てているのですが、葉の端からだんだんと茶色く枯れてきました。水はけのあまりよくない場所に植えているので、それが原因かなと思うのですが、いかがでしょうか。
オリーブは明治初年に、産業植物として何度も日本へ導入されました。しかし、経済的な栽培に適した場所は少なく、唯一、瀬戸内海の沿岸や島々、特に小豆島に定着しました。これは、温暖で夏に雨が少なく、原産地である地中海沿岸地方の気候に近かったためです。
実や種子からはオリーブオイルがとれ、実はピクルスにして食用にもされますが、最近では銀色の葉や樹形を楽しむため、ガーデニングにも多く取り入れられています。オリーブの木そのものは適応力が強く、水はけと日当たりのよい場所なら栽培はそれほど困難ではなく、鉢植えやコンテナ栽培も容易です。
ご質問によりますと、水はけのよくない場所だとのこと。お気づきのように、それが原因で根が弱り、生理障害が現れたものだと考えられます。また、極端に日当たりや通風の悪い場所でも同じような症状が現れることがあります。そのような場所に植えたままにしておくと、オリーブにとって致命傷となる「白紋羽病」にかかる可能性もありますので、植え替えをおすすめします。
5~6月に根の周りを掘り、ていねいに根巻きをし、枝葉を剪定した後で移植します。なお、適地に新しい苗を植え、実も楽しむ場合は、異なる品種の接ぎ木苗を2本以上植えてください。オリーブの品種には「自家不稔性」といって、同じ品種では結実しないものがあるからです。また1本で実のなる品種でも、異なる品種があればより多く実がなります。ちなみに実生苗は結実までに10年以上かかりますので、実を楽しむには適していません。