これは軟腐病といって細菌による病害です。高温で土壌湿度が高いと発生しやすく、密植や多肥栽培で葉がちになると発生が多くなります。

　病原細菌は土壌中で、多種類の野菜だけでなく雑草の根圏でも生活して、長期間生存する土壌伝染性のやっかいな病害です。

　幼苗期に発生した場合、地際部が水浸状に、葉柄はゆでたようになり、葉は黄化、萎ちょうして間もなく枯死します。生育が進んだものでは、地際部が水浸状に腐敗して下方へ進み、根の中心部から腐敗してドロドロとなり悪臭を放ちます。

　風雨や潅水時の泥はねによって、地際部や下位葉の傷口、害虫の食害痕などから感染します。

　この病気は一度発病してからの有効な防除対策はないので、発病に至らないように予防に努める必要があります。防除にはイネ科、マメ科作物との輪作や高畝をして排水を図ります。また、発病株の除去やチッソ過多とならないよう適量施肥に務めましょう。