吸血鬼ドラキュラ伯爵が苦手としたことで有名なニンニクですが、その歴史は古いです。紀元前１５００年あまり前のエジプトの古文書にも薬用としての利用法が書かれており、ピラミッド建設に従事する労働者はニンニクを食べて体力をつけていたとも言われます。疲労回復や高血圧、動脈硬化の予防に効果が高いと言われており、積極的に料理に利用したい野菜です。

　ニンニクの栽培は、一般に9月中下旬ごろにタネ球を植え付けますが、4月下旬ごろから抽苔します。抽苔を放任すると球の肥大がよくないので、早めに摘芯しましょう。なお、この抽苔した花茎は、茎ニンニクとして豚肉と一緒に炒めものにすると美味です。

　一般的な球の収穫は、地域の気候や品種によっても大きく異なります。暖地の場合、早生品種は5月から、寒冷地の場合は6月下旬～7月にかけて行います。タイミングとしては、株全体を見て葉が30～50％黄変したころを目安にしますが、適期を過ぎると球割れが発生して球の色艶も悪くなり、品質が低下するので注意が必要です。収穫は晴天の日を選び、10株程度ずつ束ねて通風のよい所に吊り下げます。