果樹に関するQ&A
サクランボの実が小さいうちに落ちてしまいます。どうしてでしょうか?
サクランボの実が小さいうちに落ちてしまいます。どうしてでしょうか?
一般的にサクランボ、またはオウトウと呼ばれているものはセイヨウミザクラの実です。しかし南日本では栽培が難しく、その代わりにシナミザクラが家庭果樹として普及しています。セイヨウミザクラに比べて品質は劣るものの非常に作りやすく、実もたくさんなります。ただ、ご質問の件はセイヨウミザクラについてだと思われますので、これに限ってお答えいたします。
サクランボの実が落ちる原因は数点考えられます。まずは生理落果です。これは開花後から3~4週間までの間に起こり、なりすぎた実を木自身が落とす生理現象です。木の能力に応じた実の数にするためで、全部落ちることはないので特に問題ありません。ただ、この時期は果実肥大初期であるため、水分を多く必要とします。極度に土を乾かすと実は大きくならず、落果もひどくなるので注意してください。
次に考えられるのは、生理障害の1つである微量要素欠乏によるものです。特に苦土とホウ素の欠乏の影響が大きく、結実の減少や落果、実の変質などの症状が現れます。対処方法としては土に苦土やホウ素を施すのが基本ですが、葉面散布しても応急的な効果はあります。
また、幼果や未熟果などが侵される病気に、炭そ病や幼果菌核病、灰星病がありますが、これらの病気は実に症状が現れた後で落果するため、生理落果などとは異なり、青いままの実がバラバラと落ちることはありません。