トマトの葉巻は生理的なもので、生育初期に肥料が効きすぎた肥満症状です。葉巻の症状は第３花房と第４花房周辺の葉に出やすいようで、生長点付近の若い葉が外側にクルッとそり返った形で巻いてしまいます。ひどくなると葉が巻くだけでなく、近くの茎が太くなり、形がゆがみ、さらには茎に縦の割れ穴が開いてしまいます。このようになると、その後の生長が乱れて着果がしにくく、果実は変形果が多くなり、ほかの病気にもかかりやすくなります。

　原因は、元肥のチッソ成分が多すぎることと、最初の追肥が早すぎる、かつ量が多いことにつきます。養う果実がまだ少ないのに、早くから多くの栄養を取りすぎて葉や茎が異常発達するのです。

　対策は、①元肥のチッソ分をできるだけ少なくする。②１回目の追肥は、１段目の房にピンポン玉くらいの大きさを含めて２～３果ついたころに施す。③最初の房に必ず着果させる、ということが挙げられ、要は養う果実を確保してからたくさんのご飯を食べさせることが大切です。　

　発生したものを元に戻すことは困難ですが、生育後半は３段目と５段目に実がついた時に追肥を十分施し、しっかり水やりもしましょう。